等級引き継ぎの期限
等級を引き継ぎたい場合、自動車保険の満期日(または解約日)の翌日から起算して7日以内に手続きをしないと、等級を引き継ぐことができません(保険会社によっては、手続きを忘れてしまった場合の救済措置がある場合もあります)。
また、1等級や2等級など、6等級未満の等級の場合は、満期日(または解約日)から13ヶ月が経過しないと、新規扱いになりません。低い等級を引継ぎたくなくて、わざと手続きを遅らせるのを防ぐためですね。
等級を引き継げる人
等級を引き継げる人は、元の契約の記名被保険者との関係で決まります。
具体的には
(1)記名被保険者の配偶者
(2)記名被保険者の同居の親族
(3)記名被保険者またはその配偶者の同居の親族
に限られます。
ここで注意が必要なのが、「別居の未婚の子」です。
家族限定の自動車保険の場合、別居の未婚の子は被保険者になりますが、等級を引き継ぐことは出来ません。別居の子供は、既婚でも未婚でも、等級の引き継ぎ対象にはならないのでご注意ください。
等級を引き継げる車
等級を引き継ぐためには、現在の契約の対象車を別の車に入れ替える手続きが必要です(「車両入替」といいます)。
車両入替が出来るための主な条件は、次の通りです。
各保険会社ごとに条件が異なる場合もありますので、車両入替をする場合は事前に確認しましょうね。
■車両入替後の車の所有者が次のどれかでないといけない
(1)旧契約と同一の所有者
(2)記名被保険者と同一
(3)記名被保険者の配偶者
(4)記名被保険者またはその配偶者の同居の親族
■車両入替が可能な車種
車両入替可能な車種は次の通りです。
自賠責保険の車両入替とは条件が異なるので、注意してくださいね。
車両入替前 | 車両入替後 |
---|---|
自家用8車種※ | 自家用8車種 |
二輪自動車 | 二輪自動車 原動機付自転車 |
※自家用8車種とは、「自家用普通乗用車」「自家用小型乗用車」「自家用軽四輪乗用車」「自家用普通貨物車(最大積載量0.5t以上2t以下)」「自家用普通貨物車(最大積載量0.5t以下)」「自家用小型貨物車」「自家用軽四輪貨物車」「特種用途自動車 (キャンピングカー)」をいいます。
■車両入替の理由
車両入替ができる理由は、次の通りです。
(1)入替車を新規取得した
(2)入替前の車を廃車・譲渡して、既に所有している車に入れ替える
(3)吐き出された車である(増車をして、既に所有していた車の契約を新規で取得した車の契約に入れ替え、保険がない状態となった車であること)
既に所有している車同士の等級を交換することはできないので、注意してください。
他社からの等級の引き継ぎの場合
自動車保険を売っている損害保険会社では、どの会社も等級制度を採用していますので、自動車保険を他社に切り替える場合でも等級を引き継ぐことが可能です。
低い等級を引継ぎたくないからといって、他社に切り替えて新規で加入しようとしても、保険会社間で情報交換をしているので、低い等級を引き継ぐこととなります。
ちなみに損害保険会社間では等級の引き継ぎが可能ですが、共済から損害保険会社に切り替える時は注意が必要です。
共済の自動車保険には、等級を引き継げる場合とそうでない場合があるのです。
等級を引き継げない共済は、「教職員共済」「町村職員共済」「都市職員共済」「自治労共済」「トラック共済」などです。
共済から損害保険会社に切り替える場合は、事前に保険会社に確認しましょう。
中段証明書で等級をキープする
車を一旦手放すことになった場合や海外転勤になった場合など、車が不要になるけれど、今後また取得する可能性がある場合、等級をキープしておける制度があります。
保険の満期日(または解約日)から13ヶ月以内に中段証明書の発行の手続きをすれば、10年間等級をキープできます。
中段証明書を発行できるのは、次回の契約が7等級以上になる場合です。現在の等級が6等級でも満期日まで無事故だった場合、次回の契約は7等級になりますので、中段証明書を発行するメリットはあります。また、中段証明書は、記名被保険者の配偶者や同居の親族にも引き継げます。
手続きも比較的簡単ですので(私も一度利用したことがあります)、車を手放す場合には、手続きをお忘れなく!
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筆者プロフィール 春美
保険会社にて商品開発業務の仕事をしてきました。結婚を機にいったん退職しますが、その後も自動車保険のコールセンターで勤務。
現在は子育て主婦をしながら、そのときの経験・知識をもとに皆さんに役立つ自動車保険サイトを作っています。
詳しい自己紹介はこちら
私が保険会社で勤務していた頃からダイレクト自動車保険が増えてきて、同じ自動車保険でも保険会社によって料金が大きな違いが見られるようになってきました。ある人にはソニー損保社では安くても、別の方ではセゾン社のほうが安いということもよくあります。
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