保険会社から提示された示談金額に納得いかない!
保険会社への不満の中で、「示談金の金額が思ったより低い!」というものもあります。
金額に不満があることを保険会社に伝えても、「適切に算出しました。」と言われてしまえば、納得がいかなくても示談内容を承諾してしまうこともあるでしょう。
示談を承諾してしまうと、後から撤回することはできません。
ただ納得いかないからといって、示談内容の承諾を拒否し続けると事故解決までに時間がかかってしまい疲れてしまいますね。
では、納得いく示談交渉はどのようにすればいいのでしょう。
示談交渉には知識も必要
示談交渉で最も重要なのが示談金がいくら貰えるかですね。
示談金とは、実際にかかった治療費や慰謝料等の「事故によって被った損害の費用の総額」を言います。治療費など実際にかかった金額が明確なものもあれば、慰謝料(精神的苦痛を金額で表したもの)のような曖昧なものもあります。
示談金に不満があって「金額が低いので、もう少し上げてください」と言うだけでは相手の保険会社は対応してくれません。
「今回の事故では、この金額が妥当です。」と言われて終わりでしょう。保険会社に不満を言うにはそれなりに知識を持っておくことが必要です。
保険会社が算出する示談金は低くて当然
示談金の算出には「任意保険会社の示談基準」と「裁判所基準・弁護士基準」の2種類の算定基準があります。
任意保険会社はもちろん「任意保険会社の示談基準」に沿って示談金を算出します。
この算定基準は、「裁判所基準・弁護士基準」より低いのです。
保険会社は営利企業ですから、少しでも支出(支払保険金)を減らしたいので、より低い算定基準を使うのは当然ともいえます。
しかし事故の被害者としては、より適切な示談金を受け取りたいのは言うまでもありません。
ではどうするかというと、保険会社に示談金を上げてもらうためには、「裁判所基準・弁護士基準」で算出した示談金を提示し、この金額が妥当であると示せば良いのです。
裁判所基準・弁護士基準の損害額の算定は「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」という本を用いて計算します(この本は、公益財団法人日弁連交通事故相談センターのHPで購入可能です。)。
根拠のある金額を提示すれば、保険会社も示談金を上げざるをえなくなるでしょう。
弁護士に任せるのも1つの方法
示談交渉の知識を身につけても、何度も示談交渉を経験している保険会社の担当者が相手だとやはり不安な方もいらっしゃいますね。
また、損害額の計算や示談交渉に時間や労力を費やしたくないと思う方も多いでしょう。
そんな場合は、示談交渉を弁護士に依頼するのも1つの方法です。
弁護士に任せれば示談交渉で時間を取られることもありません。示談交渉のストレスから解放されるでしょう。
ただ、弁護士に依頼すると当然ですが費用がかかります。
そんなときにオススメなのが「弁護士費用特約」です。
この特約は、示談交渉を弁護士に依頼したときの費用が補償されます。多くの保険会社が弁護士費用の上限を300万円としていますので、金額としては十分なものでしょう。
「弁護士に示談交渉してもらったことで慰謝料や示談金がかなり多くもらえた」というケースも多々あります。
(弁護士費用特約の詳細については以下の記事でまとめましたので、よろしければご覧ください)
参考記事 自動車保険には絶対付けるべき!オススメ特約「弁護士費用特約」
弁護士に依頼する際の注意事項
ただし、弁護士を利用するには注意点があります。
弁護士費用特約を利用したい場合には、保険会社の事前の承認が必要です。示談交渉を弁護士に依頼したい時は必ず保険会社の担当者に伝えましょう。
また、弁護士費用特約を利用できるのは、あなたが「被害者である場合」です。もらい事故で過失がない時はもちろん、多少の過失があっても利用できます。
保険会社に「弁護士費用特約はもらい事故の時しか利用できない」と言われてしまうこともあるようですが、約款上で重大な過失がない限り利用できます。
強気でいきましょう。
交通事故に強い弁護士であればこのあたりのことはよく熟知しています。
前もって相談してみて、特約が使えそうならば依頼をし、保険会社との交渉に臨みましょう。
筆者プロフィール 春美
保険会社にて商品開発業務の仕事をしてきました。結婚を機にいったん退職しますが、その後も自動車保険のコールセンターで勤務。
現在は子育て主婦をしながら、そのときの経験・知識をもとに皆さんに役立つ自動車保険サイトを作っています。
詳しい自己紹介はこちら
私が保険会社で勤務していた頃からダイレクト自動車保険が増えてきて、同じ自動車保険でも保険会社によって料金が大きな違いが見られるようになってきました。ある人にはソニー損保社では安くても、別の方ではセゾン社のほうが安いということもよくあります。
損をしない自動車保険選びのためにも、検討のときは必ず各社の料金を比較しましょう。私もおすすめしている保険スクエアbangでは、最大20社の自動車保険を無料でまとめて見積もりすることが可能です。
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