意外と多い「保険会社を変えたい!」の声
保険会社で働いていると、自動車保険の保険会社を変えたいという声を頂くことがよくあります。
例えば
・見積もりを取ったら別の保険会社の方が安かった。
・保険会社の担当者の対応が悪くて、腹が立ったので変えたい。
などなど様々な理由があります。
一般的には、現在の契約が満期で終了するのを待ってから他社に切り替えるのが、スムーズで簡単な保険会社の変更方法です。
ですが、「もう今すぐにでも保険会社を変えたい」という場合もありますよね。
そのようなときには保険期間の途中で解約をして別の保険会社に加入することもできますが、いくつか注意も必要です。
注意点その1 返ってくる保険料の金額を事前にチェック!
保険期間の途中で解約をすると、自動車保険料が返還されます。
返還保険料の計算方法は、年払いなのか月払いなのかによって異なってきます。どのように計算するのか見てみましょう。
年払いの場合
年払の場合、返還保険料は短期率を用いて計算します。
短期率は下表の通りです。
契約してからの経過日数 | 短期率 |
---|---|
7日まで | 10% |
15日まで | 15% |
1ヶ月まで | 25% |
2ヶ月まで | 35% |
3ヶ月まで | 45% |
4ヶ月まで | 55% |
5ヶ月まで | 65% |
6ヶ月まで | 70% |
7ヶ月まで | 75% |
8ヶ月まで | 80% |
9ヶ月まで | 85% |
10ヶ月まで | 90% |
11ヶ月まで | 95% |
12ヶ月まで | 100% |
短期率とは、保険会社が徴収する保険料の割合を示しています。
例えばちょうど1ヶ月で保険を解約する場合、年払保険料のうちの25%が保険会社の取り分で、残りの75%が返還されます。1ヶ月の契約で年払保険料の25%も支払うなんて、契約者にとっては相当損であることが分かりますね。
それでも解約をする場合は、その月の始期応当日での解約をオススメします。始期応当日とは、保険始期の日と毎月の同じ日(保険始期日が1月5日なら毎月5日、1月31日なら毎月末)をいいます。
始期応当日を1日でも超えてしまうと、更に1ヶ月分の上乗せした短期率を使用することとなります。
例えば1月5日始期の契約を2月6日に解約する場合、保険期間は1ヶ月と1日。この場合に適用する短期率は35%(2ヶ月まで)です。もし、始期応当日の1月5日に解約をすれば25%(1ヶ月まで)なので、たった1日の違いで10%も変わってしまいます。
年払い契約の解約をする場合は、始期応当日を意識して、少しでも損が少ないようにしましょう。
月払いの場合
月払いの場合、契約期間分の保険料を支払っていれば特に損することはありません。
もともと月払い契約の保険料は年払い契約の保険料に比べ割高なので(一般的に5%ほど高いです)、契約者にとってはそこまで損にならないようにしているのでしょう。
ちょうど1ヶ月で解約する場合は、1ヶ月分の保険料を支払えば問題ありません。ただ始期応当日を1日でも超えると、更に1ヶ月分を支払う必要があるので、年払の時と同様、解約をする場合は始期応当日を意識しましょう。
注意点その2 保険期間通算特則を利用しよう!
満期を迎えずに自動車保険を変更する時、等級が進むのが遅くなることを考えてしまいますよね。
そんな時は「保険期間通算特則」を使いましょう!
保険期間通算特則は、保険期間の途中で別の保険会社に切り替える場合でも、等級が通常通りに進むための制度です。
使わないと大きな損になりますよ。
保険期間通算特則ってどんな制度?
新契約の始期日を旧契約の解約日、満期日を旧契約日の満期日とする短期契約を締結し、新旧の契約を通算して1年契約とみなし、事故がなければ通常通り1等級上がることが出来ます。
次の例を参考にされてください。
【例】
現在が10等級の保険契約。1月1日始期で7月1日に解約をし、他社に切り替える予定。
○保険期間通算特則を利用する場合
新契約の保険期間:7月1日〜翌年1月1日とする。
無事故の場合、翌年1月1日の契約から11等級を適用できる。
○保険期間通算特則を利用しない場合
新契約の保険期間:7月1日〜翌年7月1日とする。
無事故の場合、11等級になるのは翌年7月1日から。保険期間通算特則を適用するよりも、6ヶ月等級が進むのが遅れる。
以上のように、保険期間の途中で保険会社を変更する場合、保険期間通算特則を利用することが便利です。というより、使わないのはすごくもったいないですね。
ただし、解約前に事故を起こしてしまうと、保険期間通算特則は利用できないのでご注意ください。
利用したい場合は、新契約の保険会社に事前に問い合わせをすると教えてくれますよ。
筆者プロフィール 春美
保険会社にて商品開発業務の仕事をしてきました。結婚を機にいったん退職しますが、その後も自動車保険のコールセンターで勤務。
現在は子育て主婦をしながら、そのときの経験・知識をもとに皆さんに役立つ自動車保険サイトを作っています。
詳しい自己紹介はこちら
私が保険会社で勤務していた頃からダイレクト自動車保険が増えてきて、同じ自動車保険でも保険会社によって料金が大きな違いが見られるようになってきました。ある人にはソニー損保社では安くても、別の方ではセゾン社のほうが安いということもよくあります。
損をしない自動車保険選びのためにも、検討のときは必ず各社の料金を比較しましょう。私もおすすめしている保険スクエアbangでは、最大20社の自動車保険を無料でまとめて見積もりすることが可能です。
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---|---|
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