東京海上グループのイーデザイン損保が、今年の7月1日よりダイレクト自動車保険の改定をします。

従来は考えられなかったリスクに対応

今回の自動車保険の改定で、「被害者救済費用等補償特約」が新設されます。
この特約は、グループ会社である東京海上日動では今年の4月より販売されている特約です。

自動車の技術は日々進歩しており、自動ブレーキシステム搭載車はシェアを増やしています。自動運転技術の開発も進んでおり、近い将来公道で自動運転車が走っているでしょう。
このような技術により、交通事故件数の減少が期待できます。その反面、従来では考えられなかったリスクが生まれます。運転者の不注意ではなく、自動車のシステム上の問題で事故が起きるリスクです。

運転者に過失がない（損害賠償責任がない）事故の場合、従来の対人・対物賠償保険では対応できません。この「被害者救済費用等補償特約」の新設により、運転者に損害賠償責任が無くても、被害者の損害を補償できる為、運転者・被害者の双方にメリットのある特約です。
現在、自動運転車はテスト段階ですが、今後の一般普及に備えてこのような特約を新設することは、良いことですね。

同性間パートナーも補償対象に

約款上の配偶者の定義に「婚姻届を提出していないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者および戸籍上の性別が同一であるが婚姻関係と異ならない程度の実質を備える状態にある者を含みます。」とすることで、同性間パートナーを配偶者と同等に扱うこととなりました。

配偶者として扱われることで、同居のパートナーの加入する自動車保険の被保険者となることができます。ただ、「単なる友人同士のルームシェア」と「婚姻関係と異ならない程度の実質」の区別をどのような方法でつけるのでしょうか。

既に同性間パートナーを配偶者として扱うことを可能としている東京海上日動では、場合によっては確認資料の提出を求めることとしています。ただ、全ての自治体でパートナーの証明書を発行している訳ではないですし、全ての同性間パートナーが養子縁組等の手続きをするわけでもありません。確認資料を提出できる方は多くないと思います。このような点をどう扱うのか明確にしてほしいところですね。

より実際のリスクに即した保険料の実現

走行距離の細分化や、直近の支払い状況を元に保険料の見直しをします。より実際のリスクに即した保険料となりますね。
安全運転をしているほど嬉しい対応です。

夜間の医療相談は緊急時のみ対応へ

自動車保険に無料付帯している24時間対応の「医療相談サービス」について、夜間の相談は緊急時のみの対応とするとのことです。

個人的には「緊急時の相談」って、ほぼ無いのではないかと思います。緊急時であれば、相談せずに救急車を呼ぶでしょう。緊急性が低いから「相談」するのではないかと思います。仕事で帰りが遅い方が、夜間に相談しようとしても「緊急性が無いので」と断られてしまうのは不便ですね。