元保険会社社員が明かす得する自動車保険選び

車の自動ブレーキ、導入車には保険料を安く。自動車保険各社が割引制度。

自動ブレーキ搭載車に対する自動車保険の割引が導入されます。

衝突を防ぐのに有効な自動ブレーキ搭載車。ボルボ・カー・ジャパンの調査によると、自動ブレーキ搭載車の事故件数は、非搭載車の事故件数より69%も少ないそうで、事故件数の減少に効果があることが証明されています。また、日本自動車研究所では、2016年の新車販売台数の50%以上が自動ブレーキ搭載車になると予測しており、今後ますますシェアが拡大するでしょう。

以前、エアバッグやABSに対しても割引があったように(現在では、ほとんどの車に標準装備されているため、割引対象外です)、自動車の安全装置が向上すると保険料の割引率があって当然です。自動ブレーキ搭載車は、衝突事故の件数そのものを減少させられるので、人的補償(対人賠償や人身傷害)も物的補償(対物賠償や車両保険)も割引対象となるでしょう。

ただ、先ほども述べましたが、2016年の段階で新車の半数以上に自動ブレーキが搭載されると予測されています。割引が導入される2018年には、更にシェアが拡大していることが考えられます。ほとんどの自動車に自動ブレーキが搭載されると、割引の適用がなくなるので、割引適用される期間はそんなに長くないと考えます。

軽自動車も保険料が安くなる。

また、軽自動車に関しては、2020年以降に車種別の保険料区分が適用されるとのことですが、なぜ今まで適用されずにきたのかが疑問です。

軽自動車検査協会によると、軽自動車の保有台数は昭和50年代に減少したものの、その後は増加傾向です。もっと早い段階から、事故率に忠実な保険料を実現するためにも、車種別の保険料率の導入について検討すべきだったでしょう。
2020年以降の軽自動車の車種別料率では、3段階の区分になるとのことですが、徐々に区分を細分化し、軽自動車以外の乗用車との差別をなくすことで、どの自動車でも平等にリスクに則った保険料にして欲しいものです。

自動車保険に限らず、保険というものは、それぞれのリスクに見合った保険料を負担すべきであり、事故率に則り適正な保険料を設定して欲しいと思います。

(以下はニュース記事からの抜粋です)

自動ブレーキ搭載車は保険料1割安く 損保が割引導入へ

 追突などを防ぐ「自動ブレーキ」が搭載された車の保険料が、2018年から平均で1割ほど割引される見通しになった。
搭載車は事故率が低く、普及も進んだため、損害保険各社が割引を導入する方針を固めた。割引で自動ブレーキ車がさらに増えれば、今後の自動運転技術の開発にも弾みがつきそうだ。

 自動ブレーキは、カメラやレーダーなどで前方の車や障害物を認識して、追突や衝突を防ぐ。搭載車は「先進安全自動車(ASV)」と呼ばれる。
10年ごろから本格的に搭載が進み、安価なシステムが開発されて軽自動車にも付くようになった。

 損保各社でつくる損害保険料率算出機構は、日本自動車工業会の協力も得て事故や保険金の支払い状況を分析。搭載車は事故の頻度が低く、重大事故も少ないため割引が可能だと判断した。損保各社は今後具体的な割引方法を詰める。

筆者プロフィール 春美

保険会社にて商品開発業務の仕事をしてきました。結婚を機にいったん退職しますが、その後も自動車保険のコールセンターで勤務。
現在は子育て主婦をしながら、そのときの経験・知識をもとに皆さんに役立つ自動車保険サイトを作っています。
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