自動車保険の「弁護士費用特約」の普及によって、交通事故の損害賠償請求訴訟が増えているとのことです。

弁護士費用特約は、事故の相手に損害賠償を請求する時に弁護士に依頼する費用などを補償するものです。
保険会社の示談交渉サービスが利用できない「もらい事故（自身の過失が無い事故）」や、物損事故で警察の実況見分調書などの客観的な証拠が乏しく、示談が成立せずに裁判を起こす時などには便利な特約です。

特約の普及に伴い、交通事故関連の訴訟が増えているとのことです。
特約を利用する方の大半は、示談交渉でも解決できない方が多いでしょうが、特約を利用する人の中には、示談交渉サービスを最初から利用するつもりがない人もいると思います。

保険会社の示談交渉サービスを利用せずに弁護士を利用するメリットとして、損害保険会社が算定する損害賠償基準より、弁護士や裁判所が算定する損害賠償基準の方が高額であることがあります。
例えば保険会社の損害賠償基準では50万円と提示されたものが、弁護士基準の金額になれば120万円なる・・・ということもあります。70万円の差は大きいですね。

このように事故にあった時に、最初から弁護士に依頼をすれば、より高額な損害賠償額を得られる可能性があるのです。

保険会社に有利な示談交渉をやめさせることができる

また、保険会社同士の示談交渉では、「大手損害保険会社の担当者に交渉の主導権を握られている」とか、「同じ保険会社の担当者同士の示談交渉が、なあなあになっている」といったインターネット上の書き込みを目にします。
こういった書き込みを目にすると、万が一事故にあった時は弁護士に依頼しようと思うでしょう。

損害保険会社の損害賠償算定基準が見直されたり、示談交渉サービスが向上すれば、交通事故関連の訴訟は多少なりとも減るのではないかと思います。
弁護士費用特約は、心強いお守りとなるので、加入して損はないでしょう！私も入っています！

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（以下は東京新聞からの一部抜粋です）

自動車保険で弁護費普及　小さな事故の訴訟急増

　交通事故に遭ったとき、被害弁償の交渉に当たる弁護士費用を負担する自動車保険の普及に伴い、全国の簡裁では物損など被害の小さな事故の訴訟が急増している。解決が長引くという影響も出始めており、最高裁の司法研修所は審理を迅速に進めるポイントを手引に取りまとめた。

　最高裁によると、簡裁に起こされた交通事故の損害賠償請求訴訟は、二〇〇五年は五千件を下回っていたが、一五年には一万九千件を超えた。簡裁での全訴訟数が、ピークだった〇九年の六十五万八千件から一五年には三十二万一千件と半減する中、交通事故関連の増加が際立つ。

　背景にあるのは「弁護士費用特約保険」だ。年間二千～三千円程度で、事故の際に保険会社が弁護士を紹介し、費用を負担してくれる。〇〇年代半ばから普及が進み、日弁連が把握するだけで一四年度の販売数は二千百八十万件に上った。