元保険会社社員が明かす得する自動車保険選び

自動車保険の等級制度と、事故有係数の割増引き

自動車保険と等級制度

自動車保険の保険料は、契約車両の種類や運転者の年齢等、様々な要素で決まります。等級制度の等級別料率も、保険料を決める1つの要素です。

等級制度は、事故歴に応じた保険料の割増引制度で、20段階の区分に分かれています。
等級が上がるほど保険料が割安になり、逆に等級が下がれば、保険料も割高になります。
新規で保険契約をする場合は、6等級からスタートします(条件によっては7等級からスタートできます)。

この等級制度ですが、2013年10月より大幅な改定がありました。
それが事故有係数の導入です。

事故有係数導入前であれば、直近の事故の有り無しに関係なく、等級が同じであれば保険料率の割増引率は同じでした。
しかし、導入後は同じ等級であっても、直近の事故歴によって割増引率が異なるようになりました。

例えば、同じ10等級であっても、事故なしで9等級から10等級に上がった場合と、前年度事故ありで等級が下がって10等級になった場合では、割増引率は異なります。
この場合、事故なしであれば45%の割引であるのに対し、事故有係数が適用される場合では割引率が23%になります。

具体的な等級別の割増引率は、下表のとおりです。
※新規契約の場合、年齢条件によっては割増になります。

等級 無事故の割増引 事故有の割増引
1等級 64%増 64%増
2等級 28%増 28%増
3等級 12%増 12%増
4等級 2%引 2%引
5等級 13%引 13%引
6等級 19%引 19%引
7等級 30%引 20%引
8等級 40%引 21%引
9等級 43%引 22%引
10等級 45%引 23%引
11等級 47%引 25%引
12等級 48%引 27%引
13等級 49%引 29%引
14等級 50%引 31%引
15等級 51%引 33%引
16等級 52%引 36%引
17等級 53%引 38%引
18等級 54%引 40%引
19等級 55%引 42%引
20等級 63%引 44%引

事故と等級

等級制度では、事故歴に応じて保険料の割増引が決まりますが、事故の種類によって、等級に与える影響が異なります。
自動車保険の事故には3種類あり、
ノーカウント事故
1等級ダウン事故
3等級ダウン事故
があります。

ノーカウント事故
保険事故を起こした場合でも事故としてカウントされず、等級に影響のない事故です。
ノーカウント事故のみを起こしたとしても、次年度の保険では等級が1つ上がります。
【例】弁護士費用特約事故、個人賠償責任保険事故、人身傷害保険事故 等

1等級ダウン事故
事故を起こした場合、次年度の等級が1等級下がる事故です。
車両保険事故」「車両積載動産特約事故」「被けん引自動車の車両包括特約事故」のいずれかの事故で、事故の原因が火災や盗難等の偶然な事象である場合に、1等級ダウン事故となります。

等級制度の改定以前は、このような不可抗力の事故は「等級据え置き事故」として扱われて、次年度の等級が下がりませんでした。全く自身に非がない事故で等級が下がってしまうのは、少し厳しい気がしますね。

3等級ダウン事故
ノーカウント事故・1等級ダウン事故以外の事故は、3等級ダウン事故となります。

事故と事故有係数

等級ダウン事故を起こした場合、事故有係数が適用されます。
1年契約の自動車保険の場合、1等級ダウン事故を起こしたときの事故有係数適用期間は1年、3等級ダウン事故を起こしたときの事故有係数適用期間は3年となります。

筆者プロフィール 春美

保険会社にて商品開発業務の仕事をしてきました。結婚を機にいったん退職しますが、その後も自動車保険のコールセンターで勤務。
現在は子育て主婦をしながら、そのときの経験・知識をもとに皆さんに役立つ自動車保険サイトを作っています。
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