元保険会社社員が明かす得する自動車保険選び

日産の「無資格検査」による損保会社への影響はごくわずか

日産自動車やスバルで発覚した「無資格検査」が損害保険会社へ影響をあたえることが懸念されています。

販売停止による自動車保険への影響は?

あるアンケートデータによると、代理店系自動車保険の新規加入者の約40%がディーラーから加入しています。ディーラー加入限定の保険プランを用意している損害保険会社もあり、損害保険会社にとってディーラーは重要な販売チャネルであることがうかがえます。

今回の件で日産自動車とスバルは、一時販売停止の措置をとりました。自動車保険に関して若干の影響はあるでしょうが、既に2社とも販売を再開しているためそれほど影響はないとみて良いと思います。

リコール保険は免責の可能性大

今回の無資格検査の件で、日産自動車とスバルは共にリコールの対応をします。通常の部品等の不備によるリコールではなく、再検査でのリコールですね。

リコールには莫大な費用がかかります。エアバッグの不備で大規模なリコール対応を行った企業が、リコール対応から8年半で経営破たんしたことは記憶に新しいと思います。
リコールの費用は経営にも大きな影響を与えます。

そのような時に備えて「リコール保険」があり、今回問題となっている2社もリコール保険に加入しています。
ですが、今回のケースではリコール保険は免責となる可能性が大きいでしょう。

というのも、今回の無資格検査は自動車そのものに問題がないことに加え、更に故意に不正を働いていた可能性があるからです。

日産もスバルも30年以上前から無資格検査を行っており、印鑑の偽造(有資格者の印鑑を無資格者が使用する)は日常的でした。
当事者にとっては「悪いことをしている」感覚は無かったのかもしれません。しかし、有資格者の印鑑を無資格者が使用していたということは、やはり無資格者が最終検査をしてはいけないとの認識はあったはずですよね。

「故意や重大な過失による法令違反で生じたリコールによる損害」に関しては、保険会社も保険金を支払わないでしょう。約款にもそのような旨を明記しています。

2社のリコール費用は推定で450億円以上とも言われていますが、保険会社が保険金で支払う必要は無いでしょう。

以上により、一連の無資格検査による損害保険会社への影響は大きくなさそうに思います。
もし影響が出るとすれば、リコール対応により2社の経営が傾き、ディーラーの数が激減する時でしょう。ディーラーが激減すれば自動車保険の取扱窓口が減ることになりますからね。

(以下はニュース情報からです)

損保大手グループ各社、「無資格検査」思わぬ飛び火も

米国のハリケーンで大きな打撃を受けた損害保険大手グループ各社だが、新たな懸念も浮上している。
日産自動車やSUBARU(スバル)の無資格検査問題が思わぬ形で飛び火しかねないからだ。

「販売停止の長期化や客離れが加速すれば、影響が出る可能性はある」

損保大手の担当者はそう懸念する。

日本では保険を販売する代理店を自動車メーカーのディーラーが兼務していることが多く、新車購入と同時に自動車保険に加入することが多い。
そのため、新車販売の落ち込みは保険の売り上げに直結する深刻な問題なのだ。

筆者プロフィール 春美

保険会社にて商品開発業務の仕事をしてきました。結婚を機にいったん退職しますが、その後も自動車保険のコールセンターで勤務。
現在は子育て主婦をしながら、そのときの経験・知識をもとに皆さんに役立つ自動車保険サイトを作っています。
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